~ゼネラリストとしての価値と、これからの備え~
1)消防設備士甲種特類とは?
消防設備士甲種特類(通称:特類)は、消防設備士試験の中で最上位に位置する国家資格です。
消防設備士の資格は大きく「乙種」と「甲種」に分かれます。乙種は主に整備・点検に従事でき、甲種は「工事・整備・点検」のすべてに携わることができます。
そして、特類は甲種の中でも特別な地位を持ち、「特殊消防用設備等」という極めて専門性の高い設備について、工事・整備・点検を行うことが許される唯一の資格です。

甲種危険物取扱者のような上位互換でなく、消防設備士甲種特類を持っているからといって、何でもできるわけじゃないんですね。

実際、各類(1~7類)にはスペシャリストが多く、とても専門性の高い知識とスキルを有している人が多いぞ。
この資格の大きな特徴は、特類の資格を持つ者のみが関わることができる設備があるものの、下位互換性がないという点です。甲種1〜5類や乙種6~7類など、他の類の資格には代用できません。(甲種4類、甲種5類の保有が受験資格なので、必然的にできるのですが)
2)特類が扱う「特殊消防用設備等」とは?
特類が対象とする「特殊消防用設備等」は、特別な環境や状況に対応する高度な設備です。
たとえば、以下のような設備が該当します:
| 設備名 | 概要 | 代替設備 | 認定件数 |
|---|---|---|---|
| 加圧防煙システム | 特別避難階段の附室、非常用エレベーターの乗降ロビー等の消防活動拠点を給気し加圧することで煙の侵入を防止 | 排煙設備 | 26件 |
| FK-5-1-12 消火設備 | 新しいガス消火剤を用い、環境性・安全性に配慮した消火が可能 | ハロゲン化物消火設備 | 4件 |
| 複数の総合操作盤を用いた総合消防防災システム | 大規模・高層施設においてエリアごとに複数の操作盤で統括管理を実現 | 総合操作盤 | 10件 |
| 火災温度上昇速度を監視する防災システム | 自動火災報知設備に、火災拡大の速度を判定する機能を追加し迅速対応を可能に | 自動火災報知設備 | 4件 |
| 閉鎖型ヘッドを用いた駐車場用消火設備 | 車庫火災に対応し、近傍のヘッドが自動作動して水系消火剤を放射 | 泡消火設備 | 10件 |
これらの設備は、大型商業施設や特殊用途施設といった、特定の現場に限られて設置されています。

凄く複雑そうなシステムばかりだ、でも全国で70件くらいしかないのか
そのため、実際にこれらの設備が設置されている場所は、全国でおよそ70件前後とされており(消防白書・令和5年より)、非常に限定的です。

正直、おじさんも実物を見たことがないんだ。実際に業務で扱っている人が真のプロフェッショナルなんだろうな。
> こうした背景から、特類については
> 「役立つ場面がほとんどない」
> 「実労性が低い」
> と語られることもあります。
しかしそれは、あくまでも“今”の状況での話です。
将来的に、都市構造の変化や技術革新が進む中で、これらの設備がより広く普及する可能性はゼロではありません。
3)難易度・受験資格・試験地
– 合格率は年度や会場によって異なりますが、おおむね20%前後とされています。
– 受験資格は「甲種1~3類のうちいずれか1つ」+「甲種4類」+「甲種5類」の3種類すべての合格が必要です。
– つまり、「消火設備」「警報設備」「避難設備」という3つの分野をカバーしている必要があります。

消防設備士の甲種を最低3つ以上持っていないと受けることもできないのか。
– 文系・理系いずれに有利とも言い切れず、法令・火災・構造といった複数の知識を横断的に問われる“総合試験”です。
– 試験地自体は全国にありますが、特類の試験は、開催頻度も低い(例:北海道では年2回程度)ため、スケジューリングが重要です。

まあ、年に2回もチャンスがある、とも言える。他の国家資格だと年に1回しか試験がないものがあるんだ。
4)それでも特類を目指す理由 ~3つの視点~
✅ 1. 消防設備士としての「プライド」
「全類持ってます」と言いたい気持ちが、挑戦の原動力になりました。
とはいえ、特類を持っているから偉いわけではありません。各類のスペシャリストが現場にはたくさんいて、その知識と経験は尊敬に値します。だからこそ、ゼネラリストとしての自分の立ち位置に、誇りを持てるようになりたいと思ったのです。

特類を持っているからこそ、他の類のスペシャリストのすごさが分かるのか。
✅ 2. 将来の「予測不能な進化」への備え
AI、IoT、都市設計の高度化など、世の中は急激に変化しています。
今は不要でも、特殊消防用設備等の需要が急激に増えることも考えられます。そうなったときに資格を取ろうとしても、試験の頻度や難易度を考えると、間に合わない可能性があります。
備えることこそ、消防設備士としての基本姿勢ではないでしょうか。

いきなり特殊消防用設備等が増える可能性は、ゼロじゃない。そうなったときに「点検できない」というリスクに「備える」のも、消防設備士の本業とも言えるんじゃないかな。
✅ 3. 学習の過程が「業務力」に変わる
特類合格には、闇雲な努力では届きません。限られた時間の中で何を優先し、どう対策するか。
難関資格に挑む中で身に付いた「戦略的な学び方」は、現場作業や事務作業の能力を向上させてくれます。
そのプロセスで得た「計画力」「修正力」「継続力」は、業務や現場対応にも直結します。

学習スケジュールとプロジェクトのスケジュールの組み方は似ている。
学習の過程が仕事の効率化につながるんだ。
5)特類を受けた人だけが感じる景色
学びの深さ、視野の広がり、そして仲間への敬意。
資格そのもの以上に、そこにたどり着くまでの過程が、自分に新しい景色を見せてくれました。
特類は、“使える資格”ではないかもしれません。けれど、“誇れる資格”であることは間違いありません。

よし、僕も絶対に特類に受かってみせるぞ。


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