電工の科目免除、実は“損”な人が多い理由【消防設備士 甲種4類】

消防設備士

電気工事士の難しい試験を乗り越えて、いま現場で活躍している皆さん。
感知器の取付工事をしている人を見たり、受信機を操作している人を見ると

「あれ、自分もできるんじゃないか?」
「どうやったら、あっち側に行けるんだろう?」

そう思ったときに出てくるのが――消防設備士 甲種4類ですよね。
甲種4類があれば、現場で見えてくる景色が変わる。そう感じる瞬間、ありませんか?

そして受験案内を見てみると、こう書いてある。

電気工事士の免状があれば、
基礎科目の電気構造機能の電気、そして実技の鑑別の一部が免除できる。

これを見た瞬間、多くの人はこう思います。

「やった!免除できる!」
「電工の勉強、頑張ってよかった!」

でも実は、この免除には――落とし穴があります。

とはいえ、免除しなければ全科目を勉強することになる。
ゴールは果てしなく遠い。
じゃあ結局、免除した方がいいのか、免除しない方がいいのか。
ここ、めちゃくちゃ悩みどころですよね。

電気工事士を持っていて甲4を受ける人なら、たぶん一度は悩みます。


結論:私は「免除しない」派です

本日は結論から言います。

私は、免除しないで、全部の科目で受けた方がいいと思っています。

その理由を、この記事で説明します。


まず最初に「ルール」を3つだけ

ここが分かると、判断が一気にラクになります。


ルール①:免除は「固定セット」──分割指定できない

受験案内の表を見ると、免除できる部分が載ってますよね。
でもここ、勘違いが多い。

「自分は電気が不安だから、基礎電気だけ免除したい」
「鑑別だけ怖いから、鑑別だけ免除したい」
「実技が怖いから、そこだけ免除したい」

――そう思っても、個別には選べない。

免除は固定セットで、
“全部免除するか、全く免除しないか”の二択です。


ルール②:免除は「正解として加点」じゃない。単に「除外」されるだけ

ここが落とし穴の核心です。

たとえば鑑別で、問1の10点が免除できるとする。
免除しない場合、鑑別は 50点満点

じゃあ免除すると――

「10点は正解扱いで、残り40点で勝負」
……ではありません。

免除された10点は、正解として加点されない。
単に **その10点が“なかったこと”**になります。

つまり免除すると鑑別は
50点満点の試験から、40点満点の試験に変わる。
こういう認識になります。


ルール③:合否は「何点」じゃなく「何%」で決まる

点数じゃなく、パーセントで合否が決まる。
だからこそ、免除は慎重に考えた方がいい。

ここが、私が「免除しない派」になる最大の理由です。


実技の“点の作り方”が変わる(ここが配点のワナ)

多くの人が、実技はこう考えると思います。

「鑑別は80%で取りたい」
「製図は40%でもいいから、合計で60%を超えればいい」

この戦略、免除しない場合は成立します。


免除しない場合(実技100点満点)

鑑別は50点満点。
80%狙いなら 40点

製図は50点満点。
40%なら 20点

合計で 60点
実技60%クリア。――OKです。


鑑別の問1(10点)を免除した場合(実技90点満点)

鑑別は50点じゃない。40点満点になります。
つまり鑑別の100%は40点。

そこを80%取れたとして、鑑別は 32点

ここで重要。
実技全体は、100点満点じゃなくて 90点満点になります。
その60%だから、合格ラインは 54点

製図は50点満点で変わらない。
だから必要な製図点は――

54点 − 32点=22点。

免除しない場合は製図20点でよかったのに、
免除した場合は製図22点が必要になる。

要するに、同じ「鑑別80%・製図40%」という感覚でやると、
製図側の要求が上がるんです。


「数%の差でしょ?」と思った方へ

ここからが本当に大事です。
この差が怖いのは、鑑別と製図の“性質”が全然違うからです。


鑑別は「点が安定しやすい」

鑑別って、基本はこうです。

「これは何ですか?」
答えはひとつ。

回路図、計測器、部品の識別。
正解がハッキリしてて、点が安定しやすい。

特に電気工事士なら、鑑別で満点に近い点を狙いやすい。
これは強い。


製図は「点がブレやすい」

一方で製図。

「図を書きなさい」
ここで一気に不安が出てきますよね。

「距離は書いた方がいい?」
「線が曲がったらダメ?」
「これって減点される?」
「どこまで書けば“模範解答”なの?」

つまり製図は、鑑別に比べて
減点基準が見えにくく、点がブレやすい。

だから、安定して取り切れる鑑別が減って、
不安定になりやすい製図の比率が相対的に上がる。

これは実技戦略として、結構大きなリスクなんです。


それでも「免除したい」人の気持ち(2つの不安)

ここまで聞いて、引っかかるポイント。たぶん2つです。

  • 免除して、学習時間を減らしたい
  • 電気に時間を割きたくない

この気持ち、めちゃ分かります。


不安①:電気が足を引っ張るのが怖い

消防設備士試験の電気問題、確かに難しい。
でも、電気工事士の時の電気の難しさに比べれば、
消防設備士の電気は圧倒的に負荷が低いと思います。

だから、電工持ちの人が
致命的に電気で足を引っ張る可能性は低い


不安②:学習時間を減らしたい

確かに、免除で短縮できるのは魅力です。

でも甲4って、結局「ステップ」を踏まないといけないんですよね。

法令があって、
構造機能があって、
それらの総合として製図がある。

構造機能を“すっ飛ばして”製図だけできるか?
……できない。

結局、理解は必要になります。

つまり、免除で短縮できるのは、理解そのものじゃなくて
「問題を解く作業時間」が少し減る、くらいになりがち。

そのために、実技で不安定要素が増えるなら――
私は割に合わないと思っています。


新千歳防災チャンネルのおすすめ

私のおすすめは、こうです。

電気工事士の免除は、しない方がいい。
理由は、合格の再現性。
不安定要素を減らして、安定点を残す方が堅いからです。

もちろん例外はあります。

  • 本当に時間がなくて、少しでも削りたい人
  • 普段から図面に慣れていて、製図が得意な人

そういう方は免除でもいいかもしれません。

でも多くの人にとっては、
鑑別で守って、製図の要求を下げる。
この方が、合格に近いと思います。


最後に:これは「選べる人の贅沢な悩み」

免除するかしないか。最終的には皆さん自身が判断すればいい。
でもこれ、贅沢な悩みです。

世の中には、甲種4類を受けたくても受けられない人がたくさんいる。
そのために電工を取った人もいる。
実務経験を積んだ人もいる。
別の資格で突破した人もいる。

少なくとも皆さんは、“選べる立場”にいる。
その立場を活かして、ぜひ賢明な判断をして、甲種4類の合格を勝ち取ってください。

それではまた。ご安全に。


追記(関連リンク)

動画:https://youtu.be/JNXeqk3TKnU

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