甲種4類対策|消防機関へ通報する火災報知設備

消防設備士

消防設備士 甲種4類|消防機関へ通報する火災報知設備を、未経験者向けにできるだけイメージで解説します

動画はこちらです。
https://youtu.be/7mtNdeoWHmE

こんにちは。新千歳防災チャンネルです。

本日は、甲種4類・類別法令の
「消防機関へ通報する火災報知設備」
について解説していきます。

これって、テキストにいきなり登場しますよね。
しかも、実務経験がないと絶対にイメージしにくい装置だと思います。

私も実務経験がない中で勉強していたとき、この消防機関へ通報する火災報知設備がどんなものなのか分からず、ただ頭の中で文字として暗記していました。

なので今回は、少しでも頭の中でイメージできるようにしてもらえれば、勉強の負担も少しは減るんじゃないかなと思って、この記事を書いています。

病院で火災が起きたら、誰が119番通報するのか

まず、病院で火災が発生した場面を考えてみてください。

こういうときって、看護師さんか誰かが119番通報して、消防に「火事です」と伝えますよね。
でも、緊急事態の中で、普段から消防に通報することに慣れていない人が、火災の状況を正確に、しかも細かく伝えるのって大変です。

何より、看護師さんにとっては119番通報している時間よりも、病院なので、車いすの方とか、いち早く避難させてあげたい人の対応を優先したいじゃないですか。

そのために、人の手を使わずとも勝手に119番通報してくれる。
そんな便利なものが、消防機関へ通報する火災報知設備なんですよね。

これだけの優れものなので、理想としては、すべての防火対象物に設置すればいいじゃないですか。
だけど、現実問題、お金の問題、マネーの問題で無理なわけです。

だから法律としては、その現実問題も含めて、たとえば「病院は絶対必要だよね」というように、防火対象物の危険度によって設置義務のレベル分けをしているんですよね。

本日のメインは、この防火対象物ごとの設置義務をどうライン引きしているかという話です。

消防機関へ通報する火災報知設備は、大きく3つの区分に分かれる

この消防機関へ通報する火災報知設備は、大きく分けて3つの区分に分かれます。
自動火災報知設備の設置義務に似ていますよね。

1つ目が、絶対に設置するグループ
2つ目が、面積500㎡以上で設置義務が生じるグループ
3つ目が、面積1000㎡以上で設置義務が生じるグループです。

① 絶対に設置するグループ

これは、病院や老人ホーム、その他の入院・入所施設です。
要するに、高齢の方や寝泊まりする人がいるような場所ですね。

こういったところは、1人でも多く避難の手が欲しい。
特に夜間は、看護師さんなど人が少ない中で避難させなければならないので、絶対に必要、というイメージです。

それから、地下街・準地下街も絶対に設置です。
出入口が使えなくなったら、避難が困難ですからね。

② 面積500㎡以上で設置義務が生じるグループ

これは、入所しない(6)項ロ、いわゆるデイサービスなど日帰りの施設ですね。
先ほどの病院や老人ホームとは違います。

それから、旅館やホテル。
さらに、特定防火対象物も入ってきます。
ただし、飲食店や蒸気浴場などは除かれます。

そのほか、工場や重要文化財なども、この500㎡以上のグループに入ります。

③ 面積1000㎡以上で設置義務が生じるグループ

これは、飲食店や公衆浴場、それと特定防火対象物以外の防火対象物、いわゆる非特定防火対象物が入るグループです。

このあたりのグループ分けは、実際にお手持ちのテキストを見て、問題を解く中で覚えていくしかない部分もあります。
ただ、危険度のイメージは比較的つかみやすいですよね。

でも、実際にはこの設備をあまり見かけない

ここまで見ると、けっこう基準がゆるく見えませんか。
500㎡以上とか1000㎡以上なんて、その辺に普通にありそうです。

だけど、実際にはこの消防機関へ通報する火災報知設備って、ほとんど見る機会がないですよね。

今日のポイントはそこです。

実際には、ほとんどこの設備を見る機会はありません。
なぜかというと、法律上の除外事由が設けられているからです。

つまり、「これを設置しなくてもいいですよ」というルールがあるんですよね。
そして試験では、この「除外」の部分が結構狙われやすいです。

除外する理由は大きく2つあります。
ここを確認していきましょう。

設置しなくてもよい例① 消防機関との距離

1つ目は、消防機関からの距離の問題です。

消防機関から歩行距離で500m以内のところは、この装置を設置しなくてもいいとなっています。
それから、消防機関から著しく離れている場合も設置しなくていいんです。

つまり逆に言えば、この消防機関へ通報する火災報知設備は、消防機関から500mから10kmの範囲内にあるものが対象になる、というイメージですね。

ちなみに「著しく離れている」ってどのくらいなのかというと、消防機関から10km以上離れていたり、侵入困難なような場所で、到着まで1時間以上かかるような場所です。

これは私の思いつきで言っているのではなく、とある自治体の指導事項で示されている内容です。

なので、まず1つ目として、設置しなくてもよいエリアがあるということです。

設置しなくてもよい例② 消防機関へ常時通報できる電話がある

2つ目は、消防機関へ常時通報できる電話を設置している場合です。

「消防機関へ常時通報できる電話」と言うと、なんだか大げさに聞こえますが、要はこれです。

固定電話です。

鋭い人なら気づくかもしれませんが、実際、どこの事務所でもだいたい固定電話って置いてありますよね。

だからこそ、多くの場所では、この消防機関へ通報する火災報知設備を設置しなくてもいいんです。
つまり、我々が目にすることが少ないわけです。

固定電話があっても、省略できない場所がある

ただし、固定電話を置いたとしても、それでもなお絶対に設置して、というグループがあります。
ここも試験で問われやすいです。

固定電話を設置していたとしても、省略できないのは、病院や老人ホームなど、それから旅館やホテルなどの一部です。

なので実務上、この装置があるのは、だいたいこのあたりのグループが中心なんですよね。

ここまでの内容を理解して、テキストや問題集を読めば、類別法令で問われるこの分野の問題は、半分以上は解けると思います。

甲種4類は勉強範囲が膨大です。
なので、この先まで覚えるもよし、ここでいったん止めて他の分野を仕上げるのも立派な戦略です。

やる気に満ちあふれている方だけ、この先もどうぞ。

設置する場合は「連動機能」と「電源・回線・表示」を押さえる

ここまでは、この設備を設置するのか、設置しなくていいのか、という話をしてきました。

ここからは、「分かりました、じゃあ設置します」となった場合の条件です。

見るポイントは2つです。

1つ目が、連動機能をつけなければならない場合
2つ目が、電源・回線・表示のルールです。

連動機能とは、「人が押す部分」を自動にすること

まず、もう一度この設備のイメージを整理します。

火災を発見した看護師さんが、火災通報装置のボタンを押す。
つまり、人が押す作業がありますよね。

そうすると、この装置が自動的に119番通報してくれます。
そして119番通報した後に、消防に対して蓄積音声、つまりあらかじめ設定しておいた音声で住所まで伝えてくれるんですね。

たとえば、
「火災が発生しました。○○市○○町○番地です」
みたいな感じで、住所まで読み上げてくれるわけです。

そうすると消防としても、「あの病院で今火災が起きているんだな」と把握しやすいですよね。

では、連動機能とは何か。

これは、この「人が押す」という部分も自動にしたいということです。

たとえば病院なら、人が押す前にいち早く気づいて119番通報できた方がいいじゃないですか。
その方が、消防もいち早く火災を覚知できます。

じゃあ、その連動機能って何なのかというと、自動火災報知設備の感知器と連動しているということです。

感知器が作動したら、この装置がそのまま119番通報してくれる。
正確に言えば、感知器から受信機を介して火災通報装置に信号がいくイメージですね。

そうすると、人が押すという部分を自動でやってくれるわけです。
これが連動機能です。

連動機能をつけなければならない場所

この連動機能をつけなければならないのは、入院・入所施設、それと地下街・準地下街です。

ただし、入院・入所施設は、たとえば4名以上が入院できることなどの条件があります。
1人や2人しか入院できないような場所なら、この連動機能はいらないということです。

このエリアでは、自動火災報知設備の感知器作動と連動させなければいけません。

ただし、ここも例外があります。

防災センターなどがあれば、連動機能は不要です。
なぜなら、常に火災に関して監視している人がいるからです。

何かあれば、すぐに消防機関へ補足の説明もできますよね。
なので、常時人が詰めているような防災センターなどがあれば、この連動機能は必要ありません。

電源・回線・表示のルールは、「止めるな・邪魔するな」が趣旨

最後に、電源・回線・表示のルールです。

このあたりは消防法施行規則第25条に出てきます。
条文はかなり長いんですけど、趣旨としては大きく2つです。

1つ目が、この装置は絶対に電源が入ったままでいてほしいということ。
2つ目が、この装置に対して誰かが余計なことをしないようにしたいということです。

電源のルール

条文では、蓄電池または交流低圧で、他の配線を分岐させないこと、という趣旨のことが書かれています。

とにかく、電源はずっと入ったままにしてほしいんです。
蓄電池があれば、停電しても作動しますからね。

また、他の配線を分岐させないというのは、火災通報装置の電源を、余計な経路を介さず、なるべく直接つないでください、というイメージです。

分電盤みたいなところを介して、他の配線を分岐させないでね、ということですね。

ただし、これも絶対ではありません。
一定条件を満たせば、例外もあります。
たとえば500㎡以下の病院などですね。

細かい例外を全部覚えるよりも、まずは「原則は、電源を確実に確保して、余計な分岐をさせない」と押さえておけばいいと思います。

回線のルール

次に回線です。

条文を読んでも、正直かなり分かりにくいです。
でも言いたいことはシンプルです。

特別な専用回線じゃなくてもいい。一般の電話回線でいい。
ただし、余計な通信の影響を受けないように、ちゃんと接続してね。

要するに、この2つです。

なので試験では、
「専用回線でなければならない」
とか、
「他の通信と混在しても問題ない」
みたいな形で、ひっかけられる可能性があります。

表示のルール

最後に表示です。

電源の開閉器や配線の接続部には、火災通報装置のものである旨を表示しなければなりません。

たとえば、
「火災通報装置専用」
「火災通報装置用」
といった表示ですね。

これがあれば、誰かが勝手に電源を落としたりしにくくなります。
つまり、ここでも「余計なことをさせない」という趣旨が生きているわけです。

まとめ

消防機関へ通報する火災報知設備は、未経験者だとかなりイメージしにくい論点です。

でも、病院や地下街のように、119番通報に人手を取られるよりも、避難や初動対応を優先したい場所で必要になる設備なんだと考えると、かなり理解しやすくなると思います。

そして試験では、

  • 設置義務の3区分
  • 除外事由2つ
  • 固定電話があっても省略できない場所
  • 連動機能が必要な場所
  • 電源・回線・表示のルール

このあたりがポイントになります。

未経験者の方ほど、まずは場面をイメージできるようになることが大事です。
その上でテキストや問題集に戻ると、見え方がかなり変わると思います。

少しでも理解の助けになれば嬉しいです。

今後も甲種4類の合格に向けた情報をどんどん発信していきます。
引き続き、学習頑張ってください。ご安全に。

コメント

タイトルとURLをコピーしました