【魂のゴン・ゴール】
1993年10月28日、ドーハで行われたW杯アジア最終予選。通称「ドーハの悲劇」と呼ばれるその試合で、私の心に深く刻まれたプレーがあります。それは、テレビで大きく取り上げられることの少ない、日本対イラン戦の中山雅史選手の魂のゴール、そしてその後の行動でした。
角度ゼロからの魂の一撃、そして鼓舞
敗戦濃厚と思われたそのとき、ゴールラインギリギリのボールを全力で追いかけ、角度のない位置から信じられないシュートを決めた男――中山雅史選手。そのゴールの凄さもさることながら、私の心を揺さぶったのは、その直後の姿です。
ゴールを決めた瞬間、彼は誰よりも早くボールを抱えて走り出し、仲間たちを鼓舞しました。その必死さと諦めない姿勢に、一瞬で魅了されたのを今でも覚えています。ドーハの悲劇と呼ばれるこの予選の陰に隠れてしまっていますが、私にとっては、あのゴールこそが**“心を震わせた奇跡”**です。
小学生の私は、全力で中山選手を真似た
私は当時、小学5年生。昼休みに校庭でサッカーをしていた私は、ゴン中山のようにスライディングしてボールを追いました。その瞬間、左手が信じられない方向に曲がり、手首を骨折。
でも、両親にも先生にも「中山の真似をしてケガした」とは言えませんでした。中山雅史の評判を下げたくなかったからです。「下校中に転んだ」と嘘をついた小学生の私の中には、ヒーローを守りたいという強い気持ちがありました。
あの日の鼓舞は、30年後の私にも届いています
中山選手がイラン戦で見せた姿は、ピッチの仲間たちに確かに届いていた。ですがそれだけではありません。あの姿は、30年経った今、40を過ぎた私のような人間にも、人生の節目節目で勇気と覚悟をくれています。
「諦めない」「全力を尽くす」「仲間を信じる」。言葉では簡単ですが、それをプレーで示した中山選手の姿は、今でも私の心の中に生きています。
【魂のヒーロー】
中山選手。あの日の鼓舞は、間違いなく届いていました。そして今も、届き続けています。私にとってあなたは、いつまでも**“魂で走るヒーロー”**です。


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